SF映画を観過ぎて、UFOや宇宙人、過去やら未来が生活の中に飛び交っている。

宇宙人が地球にやってきて何らかの問題を起こすとか、その逆で地球からどこかの星へ行って問題に出逢いに行くとか、だいたいそんなものだけど、ホラーと一緒で、そういうお決まりの展開が面白かったりする。

しかしたまには、何を聞いても教えてくれないとんでもない無能が未来から来るとか、ずっと遠い昔から飛んできた若者が現代に染まっていくとか、そういうドラマも見てみたい。

ところで、理論的には未来に行くことは出来ても過去に戻ることは出来ないというような話があるけど、実は過去へ戻る方法は意外と簡単なのだ。過去へ戻るためには準備が必要だけど、逆に言えば準備をすれば戻れるのである。

日記帳だったり、写真だったり、CDやDVDだったり、とにかく記録を残すのだ。今この瞬間にアンカーポイントを打つことによって、未来の誰かがここにアクセスすることが可能になる。

未来にインターネットが続いているとすれば、もしくはそれら全てのデータが移行された新しいプラットフォームがあるとすれば、遠い未来の彼らは今のこの時代にアクセスすることが出来る。

しかしこの文明が終わればそんなことも難しくなるのだろう。

古代の壁画のように、タイムカプセルから出てきた誰かのノートの切れ端のように、それは解読不可能な、その時代その瞬間その場所を生きた者にしかわからない遊びとなる。

この、丹精込めてこねくりまわして必死に作り上げた無形のオブジェも、残したつもりで残らない、遊びの塵と化すのだろう。

結局僕らは、何かを誰かに与えるなんておこがましい、自分のためにさえ動くことの出来ない生き物なのだ。そしてそれすらも自分のためだと信じているのだ。

緩やかに未来へ進むタイムマシンに乗っている。